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2021.11.27BLOG

内定留学生の社会保険加入日

在留資格の許可が下りず、内定先企業において採用初日の4月1日に就労する事が出来ないが、社会保険に加入出来るか?

 

当事務所でも、外国人食品製造に関する労務監査の際に、実際の就労開始日は5月以降だが、やはり4月1日に加入している事例がありました。

 

社会保険の被保険者資格の取得日は、入社日等適用事業所に使用されるようになった日で、この使用とは、いわゆる「報酬が発生する日」を指します。(社会保険の事務手続き:社会保険研究所刊)

 

つまり勤務発令が4月1日、実際に報酬が発生するのが5月10日であれば、加入日は5月10日となります。

 

 

しかしながら、休職中は報酬の発生が無くても、社会保険を継続させる取り扱いを求められ、同じく報酬の支払いが無い前述のケースとは、整合性がありません。

 

実は休職に関し、下記の通達が出ており、今回のケースでも同様に参考となります。

 


「就業規則等により雇用契約は存続するが、賃金の支給が停止されたような場合には、実質は雇用関係の消滅とみるを相当とする場合(長期休職状態により復職の見込みがない)ときは喪失とするが、病気休職等の場合は、賃金の支払停止は一時的なものであり、使用関係は存続するものとみられるものであるから、被保険者の資格を喪失することを要しないもの」【原文要約】


 

これらを踏まえると、資格取得時期の判断基準は「報酬の支払い」と「雇用契約に関する就業規則の定め」になることが分かります。

 

筆者も年金事務所の担当者と非公式に話し合ったことがあり、就業規則が適用され社内の福利厚生など法的保護を受けている時は、一律にダメとも言えないし大丈夫だとも言えない。実態によるケースバイケースになるとの結論でした。

 

 

ところが、入管法においては直接の労務提供が無くても、報酬の支払いがあれば、違法になる恐れがありますので、特定活動許可をあらかじめ取り、会社の就業規則を整備したうえで、4月1日加入の可能性を検討するのが妥当でしょう。

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